とても人間的だった 東欧の作品たち

2018年7月4日(水)

6月の音の葉は 東欧の作曲家のものをお届けしました。

オーボエ 舩津美雪
ピアノ 中澤頼子

ヤナーチェク、ドラティ、マルティヌーといった 日本では あまり馴染みのない作曲家ばかりでした。

チェコやハンガリー、どんなところ?
いったい何語で話してるの?
音楽を聴く以前に、そんな素朴な疑問もあります。
そのくらい 日本にしか住んだことのない私には
馴染みのない作品ばかりでした。

しかし、それがどうでしょうか。
作品から 立ち上ってくる香りは 非常に 人間的で、
悩んだり、苦しんだり、微笑んだり、幸せに満ちていたり、
様々な人間模様を見せつけてくれたのです。

大事な人が 死を前にして横たわる姿の前に 立ち尽くすしかない自分。
それでも その中から 幸せのタネを見つけて微笑む。
そんな曲もありました。

長年連れそった妻がいながらも、晩年になって 若い女性との逃避行の中で
幸せに満ちて残した曲もありました。


住む国は違えど、生きた時代は違えど、人間の営みというのは
変わらないのだ、と作品の数々が教えてくれました。

それぞれの祖国に対する誇りも、音やリズムで 一緒に届けてくれました。

6月のコンサートから2週間ほど経ちますが、
時間が経つことで 作曲家たちの想いのようなものが
改めて凝縮されて 私の心の中で 温められていることを実感します。

東欧特集 第2弾も 続く予定ですから ぜひともまた聴いていただきたい、
今度こそと思われる方にも いらしていただきたいと思います。

音の葉は こうした作品こそ、真摯に向き合って みなさまと一緒に
噛み締めていきたいと思っています。

ひげの赤ら顔のおじさんが 隣でにこにこ笑いながら話してくれるような
そんな音楽も 聴けると思います。(あくまでも想像です)
まったく気負わずに いらしてくださいね。

7月の音の葉は ヴァイオリン 佐藤奈美・ピアノ 紫芝のばら。
この次の音の葉diaryで 紹介します。