100回記念コンサートを終えて

2019年6月2日(日)

2019年5月28日
この日、音の葉は10年と5ヶ月、そして100回を迎えた。
こんなことを言うと 生意気かもしれないのだけど、
私にとっての100回は 99回の次であり、101回の前であること、それだけだ。
次への通過点にしか過ぎない。
ただ今まで聴きにいらしてくださった多くの方や 出演くださった演奏家の皆さま、そしてスタッフの皆さんのおかげであること、私の力では決してない。
深い感謝の気持ちでいっぱいだ。

「そんなこと言ったって、やっぱり100回というのは ひとつの区切りだよ」
多くの方から そうも おっしゃっていただいた。
あぁ、そうなのかもなぁ。いつかもっと先で振り返った時に あの時が区切りだったな、と思うかもしれないな、と思った。

もうすぐ100回だな、と5月の準備を始めた時に どなたに演奏をお願いしようか、と考えた。というか、考える間もなく、すぐに決めた。
このおふたりしか いないだろうと。
ヴァイオリン 佐藤奈美さん、ピアノ 紫芝のばらさん。
迷いはまったくなかった。

このおふたりは 音の葉が理想とすることを 全部 兼ね備えておられる。
というのは、本当に自然体なのだ。
演奏と普段とに あまりギャップがない。
観客に媚びることなく、自分たちが 今 聴いていただきたいものを 有名無名にかかわらず選曲してくださる。
そして演奏の喜びや厳しさ、難しさ、苦悶といったものをさらけ出してくださる公開練習は 懐の深さを感じる

演奏する場として 決して整っていないどころか、まったくもって奇想天外な小さな空間であるのに、この場を 何倍何十倍にも素晴らしい空間へと創り変えてしまう、ものすごい力を持ったおふたりなのだ。
このおふたりに100回めの演奏をお願いした時、これで準備は整ったな、と確信した。
ところが、である。それだけではなかったのだ。

なんとこのキャスティングを決めた日に、音の葉のHPを作ってくださっている
グラフィックデザイナーの進藤一茂さんから 「来月から音の葉の紙のプログラムを
ボクに作らせてほしい」という衝撃の申し出を受けた。
ただただ驚きの喜びに浸った。

すでにピアノの調律は コンサート前に毎回 お願いすることに決めて実行していた。
三矢真人さんが 毎月 丁寧に 調律を超えた調整を、その時に演奏くださるピアニストさんのお顔を思い浮かべながら 魂を込めて やってくださっていた。
それに加えての[Program]という作品が 始まるのだ。
これ以上の準備は ないだろう。

こうして 100回を迎えることができた。
そして 大盛況のうちに 100回めを終えることができ、
すでに次の準備を始めている。
新たなる目標に一歩一歩近づけるように、これからも楽しく悩んでいこうと
思っている。

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