開かれなかったコンサート
2020年5月17日(日)
今朝、朝日とともに目が覚めて、Facebookを開けたらいきなり目に飛び込んできたのがこれだった。
あまりにもびっくりして、実は肝心の進藤さんにも連絡してない。
まだ脳内がびっくりしすぎていて、どう連絡していいかさえ、見つからないからだ。
だから今、ここに進藤さんのをそのまんま載せようと思う。
ただその前に一言だけ、この場をお借りして伝えたい。
進藤さん、ありがとうございます。
そして心待ちにしてくださっている皆さま、遠くから応援してくださってる皆さま、演奏家の皆さま、いつも支えてくださってる皆さまに、心からのお礼を。
ありがとうございます!
またゆっくりこの音の葉diaryに気持ちを綴っていきたいと思っています。
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月に一度のコンサートプログラムデザイン。
今回はこんな風にしました。
「開かれなかったコンサートのプログラム」
開かれる予定だったコンサートがコロナで中止になったので、内容を勝手に想像して、自分の作品としてプログラムを作りました。手渡しするお客さんはいないので、製本はひとつだけ。
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今、人と会う機会も少なく、資料を探すのにも店が閉まっていて実際のものに触れることができません。だから、色々なことを「想像して」作るというのもひとつのテーマになっています。
そしてこれを見て、傷つく人がいるかもしれないということも想像できます。
でもそれ以上に僕は、いまもこれからもずっと、世界を素晴らしいものとして捉え続けていきたいという気持ちが強くて、このプログラムを作ることはその思いから出ています。NEVER GIVE UP ですよ。
さらに言うと、この二人が出演するコンサートはいつか必ず開かれるだろうと確信しています。そのときには、このプログラムもお客さんに見てもらおうと思っています。
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デザインのテーマは「鎧の中の乙女性と、乙女の中の騎士性」。
表面的には、出演のふたり、ピアニストの岡本知也さんを騎士に、オーボエの梅枝理恵さんを乙女として設定しました。
でもそれぞれの中には、いつでも反対の面があるはずで、さらに、ふたりで演奏することで「そのときに顔を出す部分」は複雑に変化していくと思います。
騎士と乙女はコインの裏と表みたいにくっきりとわかれているのではなく、じつは入り組んだりにじんだりしながら存在していて、ある面を見ているときも同時に反対の面を感じるのです。
二面性(多面性)を全体で受け取りつつ、でも、ある時点での見え方、聞こえ方、みたいなものを感じる。音楽に触れるというのは、そういう複雑な時間を楽しむことでもあるというのを、デザインから感じてもらえたらと思いました。
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最初に書いた通り、プログラム(演奏曲目)は勝手に想像しました。
選曲には、岡本さんのことをよく知るフルーティスト下払桐子さんに協力してもらいました。めちゃめちゃカッコいいプログラムになっていると思います。
じつは当初、こんな世の中になるとは想像もしていなかった頃には、「岡本ロボ」っていうのを作って、ロボがピアノで音を出すたびに街が破壊されていくみたいなマンガを考えていたのですが、内容に全然合わなくなっちゃったので、別の機会のために温めておきます。
それにしても、特色使ったのなんて、いつ以来だろうか。
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このコンサートを <想像で> 聴きに来たい方は、コメント欄に参加を表明してください。記事をシェアするのも大歓迎です。みんなで想像を共有しましょう。
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プログラム
2020.4.22 otonoha vol.110
1
ドビュッシー
《映像》第1集より 「水の反映」(ピアノソロ)
2
メシアン
ピアノとオーボエのためのヴォカリーズ(ピアノ・オーボエ)
3
武満徹
雨の樹(ピアノソロ)
4
プーランク
オーボエとピアノのためのソナタ(ピアノ・オーボエ)
PAUSE
5
シューマン
アダージョとアレグロ 変イ長調 作品番号70(ピアノ・オーボエ)
6
ショパン
子守歌 変ニ長調 作品57(ピアノソロ)
7
ドビュッシー