最近 犬を飼い始めた。

2018年10月18日(木)

最近 犬を飼い始めた。

子どもの頃、私は何度も子犬を拾ってきては 「飼いたい」と訴えた。
猫は 野良に勝手に餌付けして 可愛がっていた。
それでも 両親は 動物嫌いだったから ちゃんと飼うことは許されなかった。

それがこの年齢になって 念願の犬が うちに来たのだ。
とはいえ、念願だったはずなのに、飼った経験がない、というのは 本当に心細いもので、最初は (ほんとに飼えるだろうか?)とドキドキした。
しかも ハウツー本やネット情報もいっぱいあって、
こうしなさい、とか これはダメとか いっぱい書いてある。
ただ可愛がるだけの犬だったはずなのに、なんだかずっしりとした何かを感じていた。
(大変なことにしちゃったなぁ、、、)

それも 1年が経ち、だんだん慣れてきた。
今 もうすぐ2年になろうとしている。
もはや 犬のいない生活は 考えられなくなっていることに ふと気づく。

うちの犬は ゴミ収集車が大好きで、近寄ってくると わんわん吠える。
威嚇しているように思われるかもしれないが、『大好き!』と尻尾をちぎれんばかりに振っているのだ。
それは私には よくわかる。
(私だけにはよくわかる、と思えるところが ミソなのである)

今朝の散歩中に 向こうから 憧れのゴミ収集車がやってきた。
『やった〜〜〜!』と 急に落ち着きなく ものすごい動きで尻尾をブンブン振って
車に向かって アピールが始まった。
「こら、落ち着け!静かに!」そう叫びつつも (わかるよ、私だけにはわかる)と心の中で ほくそ笑む。

いつもは 車が通り過ぎるのを 羨望の眼差しで見送るのだが、
今日は なんと運転席からお兄さんが降りて来て
「うちも犬を飼ってるんです!」と にこ〜。

もうね、その笑顔ったら。
犬を飼ってる者同士にしかわからない連帯感といおうか、喜びといおうか、一瞬にして仲間となるのだ。

犬とふたり、満足、満足と 車を見送り、家に帰ってきた。

しばらくして また さっきのゴミ収集車が近づく音がする。
(あ、あのお兄さんが乗ってる車に違いない!)
そう直感した私は 犬を抱きかかえて ベランダに立つ。

『お兄さん、ここにいるよ、気づいて〜!』
心の中で叫ぶ。きっと私が犬だったら こういう時は 尻尾をブンブン
振っているんだろうな、と思う。

しかし、ここは2階のベランダだ。
あぁ、こんなところから 熱い視線を送ったって 気づくはずないよなぁ。
やっぱり無理だわ。
そう思った瞬間だった。

あのお兄さんが ふとこっちを見るではないか。
「よっ!」と言ったかどうかはわからないが、
はっきりとこっちを向いて 手を挙げてくれたのだ。

今日は超幸せな日。
この世は 素晴らしいことが いっぱいだ。

F77BF062-74E0-417C-9BAB-704DCDF239FE