第5回 「ピアノ製作とピアニスト、ピアニストの考えるピアノ」
“「良い音しか出ないピアノ」というのは、私は良いピアノだとは思いません。
汚く弾いたときには汚い音が出る。それを教えてくれるのが本当に良い楽器です。
人間だれしも良いものを探す。それを、ピアノが教えてくれます。”
田村美和
演奏者と技術者とが対話をすることによって、ピアノという楽器がどんどん高いレベルへと向かっていったということがよく分かりました。しかもそれは、一朝一夕にできることではなく、何度もやりとりを繰り返して長い時間をかけた末に結実するのだということを、教えてくださいました。
お話の中で、「演奏する側も技術の方たちにも終わりというものはありません。ずっと勉強し続けるものです。言いたいことを言わなければ、発展はありません」と仰いました。生涯現役でおられる方の、柔らかさと、信じたものを貫く信念のようなものを感じました。
この講座でお話しくださったことは、何度でも繰り返し思い出して、色々なことに向き合ったときに心に据える「芯」のようなものにしたいと思います。
それからもうひとつ。これは講座が終わったあとの雑談でお聞きした言葉です。「ドイツの音楽を奏でるならば、ドイツ語をぜひ学んでください。ドイツの音楽はドイツの言葉を話す人が作ったものですから」
受講者の声
受講してくださったClaireさんがブログ記事をアップしてくださいました。
INClaireの音楽な日々「三矢真人『ピアノの泉』ゲスト田村美和」
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