人気なのには訳がある

2018年7月11日(水)

先日、公開練習を開催しました。
公開練習というのは コンサート本番までに いったい演奏家たちは どんな準備をするのか、それをほんの少しだけ みなさまとご一緒する時間です。

今月は ヴァイオリン 佐藤奈美・ピアノ 紫芝のばら。
音の葉では もう何回演奏していただいたか わからないくらい、いつも早々に
満席になってしまう大人気デュオなんですが、
なぜ人気なのか、今回またちょっとだけ わかったような気がしています。

練習を公開する、と簡単にお伝えしていますが、
ちょっと考えてみてください。
コンサートホールのバックヤードツアーとは 訳が違います。
プロじゃなくても誰だって 練習途中のものを 他人に見せたり、聴かせたりするのは 嫌ですよね。

「こんなはずじゃない」「これから もっと練習して完成度を高めるところなんだ」というものを あえて ご覧いただいて、聴いていただくのです。
しかもプロですからね、より一層 変な演奏を 人前に出したくないのです。

それをあえて、公開してしまうのです。
お代を頂戴して。

私がなぜこのデュオは人気なのか、わかった気がする、と申し上げたかというと、未完成のところをも  惜しげなく聴いていただくから、です。
隠さずに。
「できない」「難しい」
コンサート本番では 絶対に言わない(言ってはならない)ことを 
ずっと言い続けるという、、、。
そして なぜそこが難しいのか、できないのか、赤裸々に説明し、
何度も繰り返し練習してみせる。

そして、練習を聴いている私たちは
実際に目の前で 楽譜のとある一箇所に対して悶絶するふたりをじっと見つめ、
自分ごとのように 心の中で一緒に悶絶するのです。

プロなんだから 楽譜さえあれば いとも簡単に演奏できるもんだと 
勝手に想像していたのに、目の前にいるのは 極めて人間らしいふたりだったのです。

そして 私がどうしてこのふたりが 人気なのか、わかった気がするのは
「できない」「難しい」
そうお客さまの前で さらけ出すことができるのは 素直だからだ、と思うからです。

素直でいること。

案外これが難しいのです。
人前で格好つけたくなりますからね。
きっとこれが 人気の理由のひとつなんだと思います。

コンサート本番は 7/24(火)
10:00~ 小さなお子さまも ご一緒に聴いていただけます →残席あります
13:00~ 大人の時間です →満席です(キャンセル待ちを受付中)

夏休みで、小学生の方もたくさんご予約くださっています。
ぜひ目の前での迫力の演奏、親子で楽しんでいただけたら、と思います。